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20年前は装具用カバーシューズを手に入れるのには、本人の意思に関わらず装具業者さんにお任せでした。
今は、一般の靴と同様にネットから好きな色や好きなデザインを選び、お求めいただける靴になっています。
目次
身体に障がいがあって下半身に装具を着けないと自立歩行ができない。または、脳梗塞等が原因で身体の一部に後遺症が残り装具を着けないと歩行ができない方の為に装具を着けたまま履いていただけるシューズです。
身体に着ける装具の中でも下肢に着ける短下肢装具には主に、SHB装具とSLB装具があります。
・SHB装具(Shoehorn brace)
プラスチック素材で出来ている。
・SLB装具(Short Leg Brace またはAFO/ Ankle Foot Orthosisとも言います。)
金属の支柱と皮素材で出来ている。
患者さんの状態をもとに医師の判断でSHB装具とSLB装具に分かれます。
SHB装具に比べ、SLB装具は頑丈に出来ている分、装具事態に厚みもあり甲部周辺は大きく、装具全体で重量があります。
一般的に装具用カバーシューズは、どちらの装具でも兼用出来るよう販売されています。
SLB装具を対象に靴を作ると、SHB装具をご使用の方には靴内部に少し余裕が出ます。
それを補うために厚めの中敷き(5mm以上の厚み)を用意して靴内部の余裕を埋めます。
短下肢装具を着けるという事は足に力が伝わらない。麻痺して感覚が無い方にとっては、身体の感覚以外にも、装具の底の厚みと分厚い中敷き、プラス靴底の厚みを含めた状態で歩行することとなり、とても不安定な状態の中で歩行しなくてはいけません。
また、片足側だけ装具を着けている方には健足側(軸足)の長さに比べ、装具側の方が長くなる為、脚長さが生じます。
健足側(軸足)に比べ、装具側の脚が長い状態で歩きますと、装具側の脚を前に送り出す際に、靴の底が地面に擦るとか運が悪いと躓いて転倒する恐れもあります。
そのような理由から、片方の足に装具を着けている方の歩く姿は、装具を着けている脚は一旦横(外側)へ出して(回して)から前に脚を踏み出します。
そのために左右の肩方が振り子のようにゆれながら歩く人が沢山いるのです。
小さいお子様の場合は、生まれて間もなく装具をつけるので比較的歩行姿勢が上手いのですが、脳梗塞などで後遺症が残って仕方なく装具を着ける方の歩行姿を見ると、左右の肩が振り子のように揺れながら歩いています。
片方に装具を着けた状態でも、出来るだけ左右の脚を均等に保てるようにするには靴に調整を加え健足側でも、装具側でも脚を前に送り出す健常者と同じ歩行イメージで歩くことが理想となります。左右の両足に装具を着けている場合は殆ど幼い時期から装具を着けている場合が多く、幼い頃は、身体の成長を見越して装具のサイズ(足長)も大きく作る傾向にあります。
装具は主に、ドクターの診断をもとに、保険などを使って作ります。
保険を使って一度作ると、足の成長とともに作り換えられる訳ではなく、厚生省で決められた対応年数までは次の装具を保険で作ることができません。
ドクターの診療を経て判定を頂いてから義肢装具士が採寸、採型をして装具が出来上がります。
日本の場合、室内に入る際は靴を脱ぐ生活習慣のため、殆どの装具は室内で着けて生活ができるように作られます。
そのため、外出する際、健常者と同じように靴を履いて外出をしたくても、装具を着けた状態で履ける靴は残念ながら靴屋さんには売っておらず、革素材を使い装具業者が手作りで装具用のカバーシューズ(オーバーシューズとも言います)を作っていました。
装具で足もとを補正していても、正常な状態で歩行するのが難しいお子様もいます。地面を擦りながら歩くお子様は、たちまち靴のつま先や靴底が削れてすり減ってしまいます。
少しでも長く保たせる為に、一般の革靴とは違って革素材も分厚く、靴底も強度のある硬い素材で作るのが義肢業界では一般的でした。
大人の方が履いても凄く重たいと感じる訳ですから、障害が原因で、比較的脚が細いお子様には歩くことが凄く苦痛だと思います。
身体の体系に比べ、靴だけが異常に大きく見えるから或る親御さんは、「子供が鉄玉を引きずって歩いているようで、」と、嘆いていたことを記憶しております。
装具を着けて自立歩行ができるお子さまは靴がカッコ悪いなどと言っていられず重たい靴を履いて通学する訳ですが、重たい靴を引きずって歩くお子様の姿を見て、親子で履くのを止めてしまうケースがあったのではないでしょうか。
軽くてカッコ良い靴を求め靴ショップへ出向き色々試すも、装具を着けた条件で履ける靴は無く、履き口が大きく開いて幅も広い条件で靴を探すと、大人のサイズしかあいません。大人のサイズでやっと履ける靴を見つけても、殆どがひも仕様の靴しかなくて、義肢業者へ相談して履き易いようにベルト式に改良をしてもらって履くのが一般的でした。装具を着けて履く靴を探すのは物凄く大変なことだったのです。
実際に履いて通学すると重たい靴に比べ、軽くなってよかったね。と、思いたいのですが、足の実寸サイズに比べ装具のサイズが大きくて更にサイズが大きい靴を履いて歩くのはとても危険が伴います。
ショップで売っている大人サイズを改良して履いているお子さまの殆んどが、足の実寸に比べ7cmから15cmぐらい大きいサイズを履いていたと思われます。歩いても支障が出ない靴の余裕サイズは、2cmから3cmです。
それ以上靴の余裕があると階段の上り下りや急な斜面でつま先を引っかけて転倒する危険も十分考えられます。
恐らく、精神的にも肉体的にも相当なストレスを感じながら歩いていたと思います。
一度は長靴を履いた経験はあると思います。
長靴のサイズ表記は(S)smallサイズ、(M)middleサイズなどで表記して売っております。
長靴は靴の丈がひざ下まで長くても誰でも簡単に足入れができるよう履き口の周り、足首周り、甲周り、足長等、長靴全体にゆとりを持たせるファジーに作られています。
長靴を履くと、普通の靴を履くのとは違い靴の中はぶかぶかです。
一歩一歩を歩く度に靴の中で足が滑る。歩いていて脱げないか心配になりついついすり足状態で歩行した記憶ございませんか。
歩くと足の動きに反して地面から中々離れずに後から遅れて足の動きに付いてくる感覚経験ございませんか。
普通靴は手で持った重さよりも履いた方が軽く感じるのですが、長靴の場合、手で持った時の重さよりも実際に履いている時の方がより重く感じませんでしたか。
また、普段履いている靴に比べ、脹脛から足裏にかけ凄く疲れませんでしたか。
装具を着けても更に大きいサイズを履いて生活をしなくてはいけないお子さまは、晴れの日も、雨の日も、毎日長靴を履いている感覚で歩いているのではないでしょうか。
当時を経験した辛い思い出、お子様の辛そうにして歩く姿を見て心苦しく思った思い出。
もう大丈夫です!
装具用カバーシューズを手に入れるには昔とは違い、装具の特徴や、使う用途によって選べます。
ご自身、または、お子様と一緒に好きな色を選べる装具用カバーシューズがネットでお求めいただけます。
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